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入力規則

エクセルの機能のひとつで、特定の行や列に入力することのできる文字を制限する機能のことです。
データを入力していく中で、より正確に、かつ効率的な作業をすることが可能となります。

序文
 入力規則設定フォーム
 各タブの説明
 便利な使用例
 入力規則注意事項
問1.リストから入力−商品台帳リストから入力
問2.リストから入力−請求書を作る
問3.チェック−範囲チェックとエラーメッセージ
問4.入力時メッセージ、日付範囲、日本語入力
問5.日付リストの自動作成
サンプルファイルのダウンロード
リンクリスト
コメント参照/記入
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序文


データの入力規則を使うと、セルに入力できる値を制限することができます。

また、入力時ガイダンスの表示、エラーメッセージの表示、および、その場合の動作設定
日本語入力/英数入力への対応も可。

入力規則設定フォーム

各タブの説明

設定 タブ



入力値の種類(A)



すべての数値:何でも入力可能状態(初期状態)
 

整数:数値の整数値(小数はエラー)のみ入力可能とします。
 例:最大値、最小値の指定 1〜9 までの整数のみ入力可
 



小数点数:数値のみ入力可能とします。
 例:最大値、最小値の指定  0.1 以上の数値のみ入力可
 


リスト:決まったリストから選択
 例:1,2,3,4,5,6,7,8,9 からのみ選択可
 


日付:日付のみ入力可能
 例:入力日付は本日以降でなければいけない
 



時刻:時刻のみ入力可能
 例:現在以降の時刻のみ入力可
   時刻を取出す(MOD関数で小数部のみ取得) → 年月日を無視
 


文字列(長さ指定):文字数指定内で入力可能
 例:入力文字長は10文字でなければいけない
 

ユーザ設定:関数や式で入力条件を設定
 例:数値のみ入力可
 

入力時メッセージ タブ


ユーザーがセルを選択したときに、入力時メッセージを表示します。
入力時メッセージは、一般に、セルに入力するデータの種類に関するガイダンスをユーザーに提供するために使用。
メッセージは入力規則を設定したセルの近くに表示され、別のセルに移動するか、Esc キーを押すと非表示になります。
このメッセージは必要に応じて移動可
ユーザーが入力時メッセージに慣れたら、[セルの選択時にメッセージを表示する] オプションをオフにすることも出来ます。

エラーメッセージ タブ



無効なデータが入力された場合に、エラー注意 メッセージを表示します。



選択できるエラー メッセージは、次の 3 種類

アイコン  種類 用途
停止 ユーザーがセルに無効なデータを入力できないようにします。
停止エラー メッセージは[再試行] または [キャンセル] の2つ
注意 入力されたデータが無効であることを警告しますが、データの入力は許可します。
[はい] をクリックして無効な入力を続ける、[いいえ] をクリックして無効な入力値を編集、[キャンセル] をクリックして無効な入力値を削除 のいずれかを選択できます
情報 入力されたデータが無効であることを通知しますが、データの入力は許可します。
情報エラー メッセージが表示された場合は、[OK] をクリックして無効な入力を続けるか、[キャンセル] をクリックして無効な入力値を削除できます。

日本語入力 タブ



かな漢字変換をオン、またはオフの状態に設定できます。
日本語を入力するセルの場合は「オン
メールアドレスや電話番号のように、英数文字を入力する場合は「オフ」にしておくと
入力操作の手間が省けて便利です。




補足:

コントロールなし :IME(かな漢字変換)を一切制御しません。
 対象セルをアクティブにする前のIMEの状態をそのまま引き継ぐ(デフォルト)

無効:IMEがオフになり、かな漢字変換が全くできなくなります

便利な使用例

数値のみに制限



データの入力規則の例 - 入力する値を数値のみに制限
セル H9:H13 に、数値のみ入力できるような入力規則が設定されています。
この例では、エラー メッセージの停止スタイルを使用して、セルに無効な値が入力されないようにしています。

この例の入力規則を見るには、セル H9 を選択し、[データ] メニューの [入力規則] をクリックしてください
−−以下同様−−

文字列長制限



データの入力規則の例 - 入力する文字列の長さを制限する
セル H19:H23 に、7 文字までの文字列が入力できるような入力規則が設定されています。
この例では、エラー メッセージの注意スタイルを使用して、無効な値が入力されたときにキャンセルするか、
またはそのまま入力できるようにしています。

整数範囲制限



データの入力規則の例 - 入力する値を整数の範囲に制限する
セル H30:H34 に、1 から 10 までの整数以外の値を入力したときに警告を表示するような入力規則が設定されています。
この例では、エラー メッセージの情報スタイルを使用して、無効な値が入力されたときにその通知のみ行い、
そのまま入力できるようにしています。

規定個数単位に制限



100個単位での入力のみ許可

MOD関数は余りを求める関数。
100で割った余りが0の場合(100未満の端数が発生しない)に入力可

半角データのみ可

データの入力規則の例 - 半角データのみ入力許可
半角データのみの入力を許可する。
入力文字列を文字数およびバイト数に変換して、一致したら半角データと判定する。
全角データ1文字は、JISコードのバイト数に換算すると2バイト

文字数:LEN
バイト数変換:LENB

全角データのみ可



データの入力規則の例 - 全角データのみ入力許可
前項と同じく、文字数とバイト数に変換して判定。データの入力規則の例
バイト換算数が文字数の2倍と等しい場合に、全て全角文字と判定。
一致しない場合は、半角文字が混在していると判定。


半角スペース不可



データの入力規則の例 - 全角スペースは入力可
半角スペースの入力を許可しない。
入力された文字列の中に、半角スペースが見つからなかった場合のみ入力可とする。
判定は、SEARCH関数で半角スペース" "を検索した結果を調べる。
エラーで返る(#VALUE:見つからなかった)場合に入力可。
エラーか否かはISERROR関数で判定

リストから入力



データの入力規則の例 - 入力する値を値の集合(リスト)に制限する
セル H41:H45 に、入力する値を値の集合に制限するような入力規則が設定されています。
有効な値のリストは、セル M41:M49 に含まれています。
セル範囲 H41:H45 の中でセルを選択すると、その右端にドロップダウン矢印が表示されます。
矢印をクリックして有効な値のリストを表示し、クリックするだけで値を入力することができます。
この例では、エラー メッセージの停止スタイルを使用して、セルに無効な値が入力されないようにしています。

日本語入力機能



データの入力規則の例 - 入力時に自動的に日本語入力機能を切り替える
セルH55:H57には、セルを選択したときに、それぞれ日本語入力機能が、
オフ(英数)、全角ひらがな、全角カタカナになるように設定されています。


入力規則注意事項

制限事項一覧


・他シートの参照

EXCEL2003以前では、他シートのデータを直接参照できません。
他シートのデータは「名前」を定義して、その名前で参照してください。
EXCEL2010以降では可

・ユーザー定義関数は使用不可

EXCELが用意している標準関数は使用できますが、マクロで定義したユーザー定義関数は使用できません。
"指定した名前の範囲は見つかりません"のエラーが表示されます。

・リスト:配列数式は使用不可

リストで配列数式で定義した配列は使用できません。
また、連続していないセル範囲も使用できません。

・ユーザー設定の使用可能文字数

使用できる文字数には上限は、255文字まで。
エラーは表示されません。何事もなく、はねつけられます。
EXCEL2013で試したら、250文字で受け付けなくなりました。
入力の仕方によるのかもしれませんが、250〜255の間に上限があるようです。


問1 リストから入力(1)

問題

下の「商品台帳リストから入力ができるように、入力規則を「商品番号・商品名」の列に設定しなさい。

完成例

解答例



セル範囲 B16:B30 を選択して、「データ:タブの「入力規則」→「データの入力規則」をクリック。



「データの入力規則」ダイアログの「設定」タブから、入力の種類に「リスト」を選択。
元の値のフィールドにカーソルを置き(クリックする)、商品サンプルの K16:K21 を選択。
「OK」をクリックしてダイアログを閉じる。



以上で、商品番号・商品名のセルをクリックすると、ドロップダウンリストが表示されます。


問2 リストから入力(2)

問題

A15〜A28にドロップダウンリストから入力できるように入力規則を設定しまなさい。
リストは請求書の右の表

完成例


解答例



A15:A28を選択して、データの入力リストから、「リスト」の「元の値」に下図のように設定する。



問3 エラーメッセージ

問題

注文伝票」の「数量」に設定値以外のデータを入力すると[停止]のエラーメッセージが表示されるように設定しなさい。
エラーメッセージは「10冊以上を入力してください」と表示されるようにしなさい。


完成例

解答例





問4 入力時メッセージ、日付範囲、日本語入力

問題

以下の点に注意して、セルE4に手配日より3日以降の日付を入力するための入力規則を設定しなさい。

・セルE4をアクティブにした時、日本語入力を自動的にオフにする。
・セルE4をアクティブにした時、以下の入力時メッセージを表示。
   ・タイトル:”入力方法
   ・メッセージ:”今日より3日以降の日付を入力。
・3日より前の日付を入力してエンターキーを押下した時、以下のメッセージを表示。
   ・スタイル:停止
   ・タイトル:日付の制限
   ・エラーメッセージ:
          ”配送は手配日の3日後からです。



完成例

解答例











問5.日付リストの自動作成

問題

年月日をリストから選択して入力できるような入力規則を作成しなさい。

11月の日にちは30日まで、12月は31日までとなるようなリスト。
リストはFG列を使用。それぞれ、年リスト連番の名前を定義済み


日にち入力後に年月を変更する場合の対応

日付と意味をなさないような組み合わせができたら、日にちのセルを赤く塗り潰すような条件付き書式を設定しなさい。

例:年月日に2014 12 31 を入力後、月を11に変更した場合など。
2014年11月31日は不正日付!


完成例

解答例



入力規則

  年月日をリストから選択して入力できるような入力規則を設定します。


 
  これは単純に年のリストが定義された名前を使用しているだけ

セルB9,C9,D9 には、それぞれ、年,月,日
セルF10:F16,G10:G40 には、それぞれ、年リスト,連番 の名前が定義済み。
 
  =OFFSET(連番,,,12)
=1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12 としても同じ結果になりますが、ここではリスト範囲を再定義して、もっと項目が多い場合にでも対応できるようにしています。
連番は範囲G10:G40に定義された名前

OFFSET関数の書式   OFFSET(基点アドレス,シフトする行数,シフトする列数,行の高さ,列数)

OFFSET(連番,,,12)とすることで、基点アドレスはそのまま(省略時は既定値)、行の高さを12、列数はそのまま(=1)となり、
連番の先頭を基点に、12行1列のセル範囲ができます。
 
  同様に、日にちリストの範囲を作成しますが、ただし、今度は日にちの終わりが不定。
日にちの終わり(その月の日数)は、今月最終日の日にちを調べることで求められます。
DAY関数DATE関数を用いて

=OFFSET(連番,,,DAY(DATE(年,月+1,0)))
月+1で翌月、日に0を指定することで1日の前の日=前月の最終日 となります。

または、翌月の1日の日付から今月の1日の日付を引いても得られる
=OFFSET(連番,,,DATE(年,月+1,1)-DATE(年,月,1))

条件付き書式

日付の正当性チェック

  日付が正しいかはIS関数では判定できません。
  ISERROR(DATE(2014,11,31))としてもエラーにはなりません。
  DATE(2014,11,31)はDATE(2014,12,1)と同等なのです。

  よって、ここではDATE関数の日に入力された日にちを入れて、その日付の月が入力されている月と等しいかで判定しています。
  たとえば、MONTH関数でMONTH(DATE(2014,11,31)) → 12が返り、11とは一致しないことを利用します。





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